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近未来戦争/オメガ帝国の崩壊のcatmanのレビュー・感想・評価

3.5
1985年公開。イタリア製スーパーチープなマッドマックス2のパチモン系ポンコツSFアクション。主演のR.ギンティはメルギブよろしくニヒルなアンチヒーローを気取ってはいるものの、ただボソボソとちっさい声でセリフを棒読みしているだけ。アクションもだるい。この主人公の相棒はIQ低めのAIを搭載したスーパーバイクなんだけど、「なんでも鑑定団」の評価額を読み上げるロボットそっくりの甲高い声で、喋る度に脱力させられる。銃撃戦で乱射されるサブマシンガンはレーザーガンを装ったツクツクツクツクツクツクという陳腐な電子音が被せられ、緊張感が一向に高まらない。終末世界を支配するオメガ帝国のボスはなんと怪優ドナルド・プレザンス。ちょっとブロフェルド風な独裁者。ヒロインは我が愛しのカーシス・カンバータ。濃いめのメイクが素敵だ。終盤で流れるピアノ曲はブレランで使用されたヴァンゲリスMemories Of Greenのパクリに違いない。

そんなわけで「そこがいいんじゃない!」というべき突っ込みどころが満載で、火薬の量を惜しまない爆発シーンはなかなか迫力があるし、ヘリコプターや大型トラックが参戦するカーチェイスは気合い充分。ハリボテのトゲトゲを纏ったデスレース・テイストの改造車両も味わい深い。間違っても人にはおすすめしないけど、珍品愛好家だったら楽しめると思う。
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