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ブルー・カラー/怒りのはみだし労働者どものyaaaのレビュー・感想・評価

4.0
みんな大好き、私も大好き「タクシー・ドライバー」のほんや・ポール・シュレイダーの監督デビュー作。「太陽を盗んだ男」の兄貴も書いてます。

大都会を巡回するタクシー。それが密室で孤独かよってな設定うまいよねーって作品でなく、終盤「これが社会の構造だよ」や「大人の世界なのよ、ムフフ」的なハッとさせられる作品。

「スーパーマンⅢ」ありましたよねーのリチャード・プライアー。
「エイリアン」でもブルー・カラーのヤフェット・コットー(007のラスボスから大統領まで役の幅ひろいっすね)。
いつでもムキムキ、ハーヴェイ・カイテル。

彼ら三人組が「蟹工船」片手に労働者の地位向上を説く善良な市民でなく、ロッカーの鍵直せよ!といちゃもんの類を声高に叫び、妻に内緒でハメまくったりみたいな小市民として汗水たらしてアメリカの基幹産業・自動車工場で働く。
ワーキングプアの行く末。労働組合の事務所ユルユルじゃねぇとアクション起こす。
資本にチクリとパンチ喰らわせて逃げ切るみたいな活劇にしてもよかったかもしれない。
しかし、アクション起こしたその後、三者三様の成り行きと選択が描かれる。

主人公らを突き放すでもなく、温かく見守るでもなくただただ見つめるだけの視線は煉獄の炎にチリチリあぶられる人を描くシュレイダーらしいといえばシュレイダーらしい。
人間のA面B面を見せ付けるリチャード・プライアーの変わりようは見ごたえある。
私たちはビック・ブラザーの支配からは逃れられないのか。

ハーヴェイ・カイテルがジッポーで煙草に火をつけるシーンがあるが、これがのちに「レザボア・ドッグス」につながると想うと胸が熱くなる。
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