冒頭のプールのシーンから映像のアバンギャルドさに圧倒された。ストーリーはシェイクスピアの「テンペスト」が元になっていて、エアリアルが空中ブランコに乗ってしょんべん小僧のように放尿しているシーンが笑える。
プロスペローが本を書いていくという形式で進むのだが、映像がパソコンのウィンドウ表示のように重なりあったりなど、独特の描き方をしていてただただ映像を受け入れていくことしか出来なかった。
本の中では「テンペスト」と同じく、娘のミランダとある島に暮らしている。そして島にやってきた船を難破させる。漂流したファーディナンドはミランダと恋に落ち、アントーニオはキャリバンに懐かれてプロスペローを殺そうとする。そしてアロンゾーはプロスペローの魔法に翻弄される。最後も原作と同じく観客に語りかけて終わるが、美術館を超高速で走り回ったかのような疲労感でいっぱいだった。