まぬままおま

プロスペローの本のまぬままおまのレビュー・感想・評価

プロスペローの本(1991年製作の映画)
5.0
ピーター・グリーナウェイ監督作品。

ゴダールは『イメージの本』の着想を本作から得たのかな。そう思いたくなるほど、コラージュが凄い。

凄すぎてもはや物語がカオスになっている。グリーナウェイは“優しい”からプロスペローの復讐譚であることを語ってくれてはいる。しかし娘・ミランダの結婚話や怪物・キャリバンの恨み話、妖精・エアリアルの忠誠話なども同時並行的に語られる。本の分類はある。けれど、私たち鑑賞者はグリーナウェイの脳みそにあるイメージの本を、こちらの理解度を全く無視して、読み聴かせされた気分になる。

イメージを浴びて圧倒されるとはこのことを言うのだろう。なんという鑑賞経験、至高だ。

この先、何度も観る作品だと思う。ひとまず私がいままでみた映画の中で一番裸体が出現したとだけいって終わりにしたい。