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ティングラー/背すじに潜む恐怖のcyberiancorgiのレビュー・感想・評価

4.5
上品でばかばかしいのに知的で、冒頭の博士の自論の展開から惹き込まれてしまったよ。
背筋がゾクゾクする、あの感覚にフォーカスした設定はほんと素晴らしい。
背筋のゾクゾクほっといたら脊柱砕けるよ?の天才的な発想から端を発して、さらにそのゾクゾクとはなんぞ?まで、映画自体に論文のような理路整然としたロジックがあって、しかもここまでがまだ物語の下地でしかなく、ここからさらにさらに…。
恐怖の視覚化も含めて映画の持てる技を最大限活用してるのが尊敬しかない。
もちろん当時は映画見るなら映画館が絶対的主流の時代に、映画館のシーンを挟むことで観客を巻き込んだ超メタ演出これがまたごいす。当時の人はさぞビビったんじゃ。
今、私たちが映画を見てるその背後でティングラーなるものが紛れ込んでるとしたら…それがゾクゾクを誘発させようものなら…、全てにおいて発想が天才的すぎる。見るだけじゃなく体験するものとしての映画をとても分かりやすくやってくれてる。
劇中で起きるろう者の死の全貌は正直まったく予想してなかったので、騙され気持ち良かったし、そのシーンにある唯一のカラーのカットはものすごく効果的で怖くもあり美しくもある映像だった。
なんで今までキャッスルさんのスゴさに気づけなかったのかと後悔。これから追いかけます。
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