もうザッパについてはビートルズとかJacobと同じくらい愛しているので語りだすと止まらなくなる。だから簡潔に済ませる。

ビートルズはロックミュージックという潮流を作り上げた（もちろんその魁は他にある）。
Jacobはなきものにされてきた音たちにさまざまな拍子という文脈を与えることで新たなるハーモニーを創り出し、音楽の可能性を広げている。

Zappaはどう記述できるかというと、常に「時代と音楽」に真剣に向き合ってきた天才という感じだろうか。彼の音楽は常に実験性を帯びていたし、常に「現代音楽」だったように思う。今その時代に可能な技術、そして今自分に可能なテクニックや発想を全て用いて、誰もやったことがない新しい音楽を生み出すとしたら、どのような作品になるだろうか。そんなことをずっとやっていたように思う。とにかく天才。まず発想だけ切り取っても狂っているとしか思えない大胆さと組織化と斬新さでもってして予測不可能な展開を見せる音楽を作り出す。その上にギターテクニックも異常で、常に革新性を求め続け、自由と理性を信じ抜くリベラルなスタイルもあるんだから、そりゃ死後30年近く経った今でも色褪せないどころか掘れば掘るほど凄みがわかる音楽を創り出せるわと思わされる。
ビートルズのことを揶揄したり、そもそもロックを軽蔑したり、ともすれば彼のことを知らない現代ロックのライトなファンから唾棄されそうなことを平気で言ってしまうザッパだが、僕はそんな彼を尊敬するし、「でもザッパはそりゃそうだろうよって思うし、そう言っても納得しちゃうほど凄えんだもん」となってしまう。

クレイ好きにはたまらない一本！久々に見ても色あせない。アシッドムービー！

その昔ビデオで鑑賞。クレイアニメにびっくり仰天狂喜した。さっそく友だちを呼んで観せたら、テレビの前でテーブルの端を握りしめ、涙目になって「うおおお、うおおお」と叫び続けてた。
白熱のライヴ映像も満載。ザッパの実験精神と茶目っ気がよくわかるドキュメンタリー。