根岸

ザ・バニシング-消失-の根岸のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

昔、深夜の地上波でアメリカ版を観て寝落ちしてしまって以来、たまに思い出してはどういう結末だったんだろうと強い印象が残ったままのあの映画のオリジナルと知ってとても楽しみだった。この映画以前にこういうタイプの犯罪者を描いたサイコ・サスペンスがあったのか知らないけど、当時、こういう犯人像でこういう結末を迎えるというのを考えた人がいたといのは驚き。このストーリーにはこの結末以外はないことにまったく異論はないのだけど、それをわかりつつ鑑賞するという観客の心理まで意図して作ったのではと深読みしてしまうくらい緻密に出来てる映画だった。偶然にも犯罪を実現させ、出会ってはいけない二人が出会ってしまったことで、もう一つの犯罪が生まれる。しかももしかすると、その2つによって彼の犯罪手口が完成されたのかもしれないと思うと、二重にも三重にも犯人の勝利でしかないとこが見事なまでに絶望的。絶賛されただけのことはある映画でした。
根岸

根岸