パレスチナ出身の少年が世界的な歌手になるまでの実話に纏わる物語。
ドキュメンタリーではなく娯楽性も含んでいるからとっても観やすい。
監督はオマールの壁を撮ったハニ・アブ・アサド。アプローチは違っても伝えたいことはとても近いように思った。
ガザで撮影できないかわりにガザの演技経験のない子供たちを起用したそう。特典で話すように言葉にならない感情が表情から語られている。瞳の力強さがとってもよかった。
特に主役の子供時代を演じたカイスくんと、そのお姉さんを演じたヒバちゃんはずっと見ていたいと思うほど。
ヒバちゃんは若き日のナタリー・ポートマンみたいで賢さと潔さが気持ちいい。夢を抱くのを諦めている子たちに啖呵をきる姿は大人たちにも響くはず。
人間や愛の普遍的価値を伝える素敵な作品。
パレスチナの子供たちがこの作品を手軽に見られるとは思えないし、簡単なことじゃないけど、諦めないことが夢や希望に繋がるんだって伝わればいいなぁ。