落伍者

夜までドライブの落伍者のレビュー・感想・評価

夜までドライブ(1940年製作の映画)
4.0
ブルーカラーの長距離トラック運転手兄弟による常に危険と隣り合わせの、真に迫った人間ドラマかと思ったら、途中から不倫殺人、留置所の面会室の勝手に開く扉(ホラー要素)、法廷劇へと続き、最終的に兄弟の和解と立身出世のアメリカンドリーム実現へと行き着く。恐らく当時人気だった要素をすべてぶち込み、破綻なく一つの作品として、93分に収めた監督の職人的手腕に脱帽。40年代のアメリカ映画はこれ1本でいいのではないかと錯覚しそうになる。精神に異常をきたしたアイダ・ルピノの左右非対称に歪む笑顔は必見。脇役一人一人にも人格があり、どこまでも温かい。
落伍者

落伍者