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鏡の中にある如くのあのレビュー・感想・評価

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)
3.8
最後に父親が「愛」にすがることで救いを得よう的なことを言っていましたが、夫の愛はカリーンには届かず、弟の愛は性的で、父親の愛は創作に向けられている今、その存在は「神」のように現実味がないように思いました。カリーンに限らず他の3人も、来るはずのない神を、自分でこしらえた殻にこもって待ち続けているだけなのではないでしょうか。こうした中で、神を待ち続けていたカリーンの前に現れたのは、カリーンを病院に連れて行くドクターヘリだったというオチは、すがる神のみならず、現実を超えた世界まで否定しているようで、本当に皮肉に満ちていました。
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