白

鏡の中にある如くの白のレビュー・感想・評価

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)
4.5
かつて誰もが生きるよすがを仮託した神や神聖性はその無力さが確信されてしまったがゆえに、張り裂けそうになる個人的な苦しみへの救済は最早表面的なものにしかなり得ない。美しい言葉も、自然の壮観も、無神論的葛藤が内面化された身体を前に寛解の術を持たない。それでも曖昧な愛の信仰だけが希望として微かに燻り続ける。
白