Joker

鏡の中にある如くのJokerのネタバレレビュー・内容・結末

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

まず作品の最初から最後まで映像が美しかった。どのカットを取っても絵になるようで”芸術”を観ている感じだった。

ストーリーの方は神と愛の不在を感じるものだった。
父から愛されず、病気の回復の見込みがなく壊れていくカリンの姿から神に見捨てられた、神が存在しないという事を伝えたいのだと思っていたけど、それと同時にカリンが壁から声を聞き(自分にとっての)神を信仰していくように、「神」と言っても信じる対象や姿形などは人それぞれで、普遍的、共通的認識の神は存在しないと伝えたいのかなと感じた。

父デビッドが精神が不安定な娘カリンから解放されたい、病気が悪化して亡くなってほしいという、本来抱いてはいけないけど、どこか抱いてしまう感情をしっかり描いているあたりも神が不在の世界の人の心の闇を描いている感じがした。

最後に父デビッドがこの世に愛が存在することが、さまざまな形の愛が神そのものなんだと、神と愛が同じだと信じれば絶望から救われると言うが、その主張をサポートするのに必要な根拠や説明が映画の中で足りてなく、最後に結論だけ聞かされているような気がした。(そもそも娘のカリンのことを愛してなかったデビッドが愛について語っても説得力がない気がした)

巨匠の中の巨匠ベルイマンの作品で評価も高いので、おそらく自分が作品を完全に理解するにはまだ早かったのかなと思った。
今作が初ベルイマン作品なので、他の作品も観て理解を深めたいと感じた。

よいレビュー
https://cinemarche.net/column/19xx-7/
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