b

ジョン・カーペンターの 要塞警察のbのレビュー・感想・評価

4.0
タイトル通り、刑務所に籠城しながらカルト集団の襲撃に迎え撃つ話。ジョン・カーペンター老師が初期に制作した低予算ながらそれを感じさせない激渋名作アクション。
序盤のアイスクリームの少女のあの展開はまさかそれはないだろと高を括っていたら....いやぁ参りました!
カルト集団の暗闇に潜伏しながら奇襲を掛けて来る感じは心底恐ろしい。サイレンサーを付けた銃や物的証拠を残さない周到さ。そんなアサシンみたいな奴等に多方面から狙われる恐怖は今にもチビる三秒前。


根底には差別や偏見がテーマにあり、普段被差別者の犯罪者達は仲間になったら案外協力的であり良心的でなんだか心強いことを教えてくれる。犯罪者が活躍すると何故かとても魅力的に見える。いわゆる映画におけるジャイアン理論だろう。特にナポレオンは誰よりも冷静沈着で殺人犯のステレオタイプのイメージをことごとく覆すキャラクターでとても魅力的。
すべてのキャラクターの一つ一つの所作が無駄にカッコいい。(詳しくは記述しません)

共に死線をくぐることで結ばれる立場を超えた関係性。犯罪者、警官、人種、性差、それらは全く関係ない。決していい表せない何か特別な魂の繋がりを感じさせられる。

最後に一つ疑問、なんでカルト集団は最初から直接警察を狙わなかったのか?はよく分からなかった。あんなに武力があれば直接報復すれば良くね?アイス屋に対するこだわりも謎ですね。
b

b