爆裂BOX

悪魔の棲む森の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

悪魔の棲む森(2008年製作の映画)
4.1
羞明症の療養のために母と共に山間の村へ移り住んだサンティは、閉鎖的な村の雰囲気に馴染めずにいた。そんなある日、村の牧場の家畜が何者かに襲われ…というストーリー。
森の奥に潜む正体不明の怪物が村人を襲うスペイン産のミステリーホラーです。
クラスメイトが森の中で何かを見たという噂を聞いたサンティは、クラスメイトと共に森に怪物を探しに行くが、仲間の一人が「何か」に惨殺され、その犯人として疑われてしまう、という内容です。
「ヒルズ・ハブ・アイズ2」のパッケージと似たデザインのパッケージとタイトルから余り期待していませんでしたが、中身はよく作られた秀作です。
モンスター大暴れの展開を期待すると肩透かしになるかもしれませんが、森に潜む「何か」が森の中や家の中でじわじわと迫ってくる緊迫感が、主役の少年の涙流して鼻水垂らしての大熱演によってヒシヒシと感じられます。特に家の中に「何か」が侵入してきてて、ソファで寝たふりしてるサンティに近づいてくる所や床に落ちてるナイフ拾うシーンは中々にハラハラさせられましたね。
主人公が殺人犯と疑われながらも、村の学校で出会った警部の娘のヒロインや昔からの親友と共に「何か」の正体に迫っていく展開もジュブナイル感あって楽しめました。主人公の両親とか警察とかよりもやっぱり頼りになるのは友人なんですよね(笑)主人公の父親は主人公の事本当に心配してはいたからあの扱いは可哀想だったな。
主人公サンティ役の俳優も太陽過敏症という設定のため色白イケメンでしたね。フード被ってサングラスかけた姿はカッコよかったけど、性格は結構ヘタレだったな(笑)森の中でトラップにかかった時も、ヒロインが「動かないで!」と言ってるのにギャアギャア叫んでパニクる所は「分かるけどちょっとは落ち着け!」と言いたくなりましたよ(笑)ヒロインを演じたブランカ・スアレスの美少女ぶりも良かったですね。また、わざわざ都会から村へ来てくれる親友レオがいい奴すぎでした。トラップにかかったサンティを助ける為に「一人で助け呼びに行く!」と言い出した所は死亡フラグ立った感じでメッチャ不安でした。
「何か」の正体は途中で見当付きますが、中盤から後半にかけての隠された謎についての二転三転する物語はかなり盛り上がります。ここで恐怖の対象が変わっていく展開も面白いですし、サンティに罪を着せようと他の村人煽ったり、過去に犯した罪のシーンアド、犯人の邪悪ぶりも良かったですね。因果応報の末路もちょっとアッサリ目だけどスカッとはしました。
ただ、ラストは無理にB級ホラー風のラストにしなくても良かったのでは・・・と思います。結局彼女は人間には戻らなかったのか。
このタイトルとパクリジャケのせいで敬遠されがちかもしれませんが、掘り出し物な佳作サスペンスホラーだと思います。