【知られざるクリスマス映画】
『5時から7時までのクレオ』より評価されているというフランスのクリスマス映画。
出落ちなタイトルだが、原題は『LE PERE NOEL EST UNE ORDURE: LE FILMET LA PIECE(サンタクロースはゴミ野郎〜 映画と欠片)』(すみません、LE FILMET LA PIECEの訳は微妙です)とあながち間違ってはいなかった。
フランス映画というと、ヌーヴェルヴァーグのような難解映画や、『タイピスト』のようなオシャレ映画を思い浮かべがちだが、実はこてこてなコメディ映画も大量に作られている。
本作は、そのこてこてさに慣れてないとキツイかもしれない。『奇人たちの晩餐会』に近いものがあるからだ。
冒頭、クリスマスで賑わう街中でサンタクロースのコスプレした男がビラを配っている。子どもが「ビラ頂戴」と来るのだが、「うるせぇ」と言い放つ。サンタクロースが後ろを向くと、彼が風俗店のビラを配っていたことが分かる。テクニカルでシュールなギャグだ。
そして、そのサンタクロースの妻が家出をしてしまう話とエレベーターに閉じ込められた女の話が交差する。一見ぎゃーぎゃー五月蝿い作品なのだが、ギャグを精巧に組み合わせていくことで、2つの全く関係ない話が結びついていくところがなかなか面白かった。
ただ、、、これがDVD化されない訳もよく分かった。午後のロードショーあたりでヒッソリやるような映画でした。