星降る夜にあの場所で

シベリアーダの星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

シベリアーダ(1979年製作の映画)
4.9

購入放置ソフトにて初鑑賞。

ここ20年間観てきた中では文句なしに最高の作品。
これなら恐らく約6時間の完全版も全く苦もなく鑑賞出来るだろう。
というより観たい。


このクラスの作品になると多くを語って安っぽくしたくないので、兎に角観るべし!の一言。
最近初鑑賞した同国の『誓いの休暇』も圧巻でしたが、越えてしまいました。

ベルトルッチの『1900年』が引き合いに出されているようですが、個人的な意見として言わせて貰うならもう全く格が違う。

鑑賞後、監督のインタビュー映像で作品の中に滲みこませた思いが語られているのですが、その内容の半分すら感じ取ることが出来なかった自分が情けない。

ただ一点だけ、もしかしてこの作品…
それでも国も違うしジャンルも違う。
単なる思い過ごしかな…と思ったのですが、

インタビューでハッキリとおっしゃっていました。
鳥肌が立ちましたね。

この作品が『ゴッドファーザー』を強烈にリスペクトし韻律にこだわった詩情色豊かな太叙事詩だったということを…
インタビューや資料には表記されていませんが、溝口&黒澤監督の影響も見て取れます。

ストーリーはじっくりと堪能して頂くとして、最も分かりやすいであろう映像に関して…

ただひたすらに美しいと言われる作品は死ぬほど観てきたつもりでしたが、3時間延々と続くもうただ溜め息しか出ない映像美には素晴らしさを通り越して呆然。
途中から次はどんな映像を見せてくれるのだろうと期待すらするようになり、これがまたその期待を裏らないんです。

ボンダルチュークの『戦争と平和』以来、予算等未曽有の国家全面バックアップと監督並びにスタッフ・キャストの才能がものの見事に融合した珠玉の傑作!

特典映像を観た後、食事をとりすぐにまた再鑑賞してしまうほどのめり込んでしまいました。


苦渋の編集が想像出来るだけにくどいようですが、完全版がどうしても観たい。