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エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPEのbのレビュー・感想・評価

4.3
止まらない腐敗、止まらない暴力、面白い!面白すぎる!
前作は麻薬組織対BOPE(ブラジル特殊部隊)だったのがBOPE対BOPEという混沌を極める事態にまで発展。だんだん自分が何映画を観てるのか混乱してくる。これは完全にギャング映画のそれでした。最高!
シティ・オブ・ゴッドのブラウリオ・マントヴァーニ脚本故、シティ・オブ・ゴッドに負けず劣らずの圧倒的暴力の嵐が吹き荒れる。

前作同様全員悪人で基本感情移入できる人物はいないのだけど、主人公は正義の名の元に行動してるのでかろうじて感情移入が可能。ただ、やはり悪人が悪人を裁くという状況は相変わらず。
主人公の泥沼に突き進む覚悟はかっこいいが、果たして人道的に見て彼はまともと呼べるのか?怪物を倒すために自らも怪物とならなければどうしょうもないという目の前の現実はあまりにも無慈悲で救いがない。
息子に恐れられる父親(主人公)と国民に恐れられるBOPEを対比してるのかな。

BOPEという破綻した組織、ブラジル社会の腐敗したシステム。そこに普遍的な怒りが存在していた。

幕切れの仕方がなんとも歯切れが悪い気がするけど、このモヤモヤは殺人の追憶的なまだ終わっちゃいないぞっていう意味なのでアリ。だけどもっと続きが観たい。

原作は元BOPEの隊員が書いたものらしい。勿論脚色も込みなんだろうが、これがブラジルのリアルなのか、恐ろしい、恐ろしいぞブラジル....。ただ、同時にドリーミーでもあるわけだが。
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