東京帝国大学の秀才（鶴岡修）が、寄宿先の姉妹と故郷の幼馴染を次々と口説き落としていく。大正末期に地下出版された同名猥褻本を映像化している、日活ロマンポルノ。三大発禁本シリーズ。
セックスのことしか頭にない好色男の性生活を淡々と描写している作品。アッチに行っては女とヤって、コッチに行っては女とヤってを繰り返す。性表現のタブーに挑戦している猥褻本をベースにしているため、ドラマ性は排除されている。
主人公と懇ろになる女性陣は、女学生（碧川じゅん）、処女の娘（山科ゆり）、年上の幼馴染（宮下順子）という顔ぶれ。男にとって都合の良い女性が、都合の良いシチュエーションで、都合よくセックスさせてくれる。
ドラマの停滞感に見舞われる作品だが、ラスト近くに登場する高橋明により、主人公が「魔性の女の恐ろしさ」を諭されていく展開は、なかなかどうして見応えあり。現在の「ハーレムもの」の原典と解釈することもできる。
