ていてい

幸せなひとりぼっちのていていのレビュー・感想・評価

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)
4.5
大好きな北欧映画でまたもや秀作に出会ってしまった。
最愛の妻の死によって凍りついてしまったオーヴェの心に土足でズカズカ入り氷を溶かしていくパルヴァネとのやりとりがなんとも心温かく、温かい涙が何度も出た。
気難しいオーヴェを映しながらも時折挟まれる若かりし頃の回想シーンによってオーヴェの本当の優しさが伝わる為、見ている側は自然とオーヴェに幸せに生きてほしいと願うようになっていくんだよな。
料理のお裾分けの空箱を返却した時に添えられていた「美味しかった、ありがとう」のメッセージでパルヴァネはオーヴェの優しさに確信が持てたんだよね。
運転に自信がないパルヴァネを励ますシーン、パルヴァネの娘達をシッターするシーン、ゲイの子とぽっちゃりのお兄と3人で見回りするシーン、赤ちゃんをゆりかごに入れるシーン、そしてラストに涙。
笑っちゃうシーンも随所に散りばめられていてそれも映画の邪魔にならず良いスパイスになっていて良き。
イギリス映画『おみおくりの作法』好きな人は好きかも。
人って「生きる意味」がわからなくなった時、必要とされていると実感すること、寂しさを忘れること、他者との繋がりがあることで取り戻せるのかもしれない、この映画からそんなことを学んだ気がする。
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