叡福寺清子

血の祝祭日の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

血の祝祭日(1963年製作の映画)
4.0
今を遡る事59年前に製作された本作.ゴア描写は今の尺度でもグロいと判断できるほどに素晴らしいもので,公開当時に湧き上がったであろう賛否論争に参加したかった三遊亭呼延灼です,こんばんわ.真面目作品だった地獄の謝肉祭よりも本作のほうが数倍食人映画としてはちゃんとしていますし,人肉を食料として提供する設定が本作によってなされている事に驚きました.公開当時全米エジプト料理協会から,本作にクレームが入った事も頷ける事態です(嘘です,そんな事実はありません).
と同時に,ラムゼスの中の人マル・アーノルドの存在感は光り輝いていました.本当に洗脳してんじゃねぇかと思わせる眼力は圧巻の一言.すのばのらのしのいです.

反面それ以外の部分はグダグダ.グロはあるのにエロはないし,大根役者勢ぞろいで棒読み演技だし,犯行シークエンスは無茶苦茶だし,最後のラムゼスとスゼットさんのやり取りはコントだし,で作品全体をレーダーチャートで点数表示したら,なかなかに目を見張る形状になることでしょう.
でもそれでいいんですよ.B級なんて,変に過不足なく丸く収まった作品より一点でも強く印象に残ったほうが勝ちなんですから.