◆あらすじ◆
パトリックは情事に溺れる母とその愛人を殺害後、そのショックから昏睡状態に陥り、病院で3年間ずっと目を開けたまま、動かなくなった。その病院の看護師となったキャシーはパトリックの担当になる。キャシーはある日、パトリックと意思疎通ができることを発見するが、キャシー以外の人の前ではパトリックは応答なく、誰もそれを信じなかった。やがて、キャシーの夫や知り合いの医師などに不可解な出来事が起こり始める。
◆感想◆
昏睡状態の青年パトリックが引き起こす奇怪な現象を描いた作品であり、目を開けたまま全く動かないパトリックの不気味さとそのパトリックに気に入られてしまった看護師のキャシーが体験する現象の特異さが印象的でした。
本作ではパトリックがどういう人物だったのか描かれておらず、母親とその愛人を殺害した以後は昏睡状態のままになるので、彼の正体について興味を惹かれました。
一方、主人公の看護師のキャシーは夫のエドの不仲になっており、そのために別居して新たにロジェ医院の看護師になります。彼女はパトリックの担当になって、彼と意思疎通できることが分かってから、パトリックを助けようと動くのですが、それがパトリックに気に入られてしまいます。看護師としての務めを果たそうとしたのでしょうが、パトリックがどんな人物なのか分からない分、彼女にとって皮肉的な展開になってしまいました。
ストーリーが進むにつれて、パトリックが感覚を失ったことにより、超能力を手に入れたことが描かれます。ここから、ホラー演出などを求めてしまうのですが、キャシーの夫が鍋を持って手をやけどしたり、知り合いの医師がプールで溺れそうになったりとパトリックが引き起こす現象が地味だったので、いまひとつ怖さが伝わってきませんでした。しかし、終盤にはパトリックが本性を現し、緊迫感に満ちた展開になっていって、それなりに楽しかったです。
そこそこ楽しめる作品でしたが、もう少し派手な展開も観たかったです。1978年製作の作品にそれを求めるのは酷ですね。
鑑賞日:2024年7月10日
鑑賞方法:U-NEXT