よしおスタンダード

戦場からの脱出のよしおスタンダードのレビュー・感想・評価

戦場からの脱出(2006年製作の映画)
2.8
No.3222

『便所からの脱出』

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隣で毎晩脱糞されてたら地獄ですね。

それより、なにより、ヘルツォークにしては、なんか詰めが甘いような気がします。

監督がヘルツォークじゃなかったら、そこそこ面白いと思うんです、

でも、ヘルツォークだから、なんか個人的ファンとしては物足りないのです。

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その最大の理由は、「飲み食いしてる場面があまりにも少なすぎる」こと。

そりゃそうでしょう。

あの酷暑の中、水分もろくにとってなかったらとっくに脱水症状、栄養失調でみんな死んでますよ。

でもそうなってないってことは、どこかでギリギリ生きていけるだけの飲食をしていた、ってことになるわけですが、

どう考えてもそういう生活してるようには見えない。

看守たちでさえ食物に困り、ついにディーター(C・ベイル)は蛆虫まで食べざるを得なくなる・・・。

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それと、ディーター以外の兵士たちはすでに2年もあの中にいたっていうのに、

みんな普通に会話して、思考能力もそれなりにあるっていうのもなんだか・・。

精神錯乱を起こしても仕方ない環境に見えるのに、ぶっちゃけ

「極限状態」に見えないのですよ。

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とはいっても、向こうの看守たちもけっこう監視の目がゆるかったりして、四六時中緊張状態ではなかったみたいだから、

みんな一応精神的には壊れずに済んでいた、という見方もできる。

しかし、「アギーレ」とか「フィツカラルド」とか「コブラ・ヴェルデ」とか、キンスキーと組んで作ってきたとんでもない過去作を見てしまっていると、

「ヘルツォーク!! あの頃のギラギラした映画はもう、撮れないのか!!」

と思ってしまう。

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映画全体としてはそういう感想ですが、

役者陣は素晴らしい。

クリスチャン・ベイルは言うまでもなく、

スティーヴ・ザーン(ドウェイン役)や、ジェレミー・デイヴィス(ジーン)の何とも言えない悲し気な表情、諦めきった感じがひしひしと伝わってきた。