卒業を控えている訳ありの女子高生（AYA）が、幼馴染の青年（松浦祐也）とコンビを組み、暴力団の資金を強奪してしまう。底辺部のピカレスク・ロマンを描いている、オーピー配給のピンク映画。別題「早熟な制服 肉体の報酬」。

主人公となる男女コンビは、青年側が一方的に想いを寄せている、肉体関係なしの幼馴染同士という設定。70年代中期の邦画を彷彿とさせるシラケに満ち溢れており、厭世キャラのヒロインと与太郎キャラの青年が、絶妙なコンビネーションを披露してくれる。

主人公コンビの逃避行が開始すると、冬期の新潟へと舞台が移動。ヒロインが生足＆ミニスカの制服ルックを貫き通し、全身雪まみれになるところがシンボリックで面白い。主人公を追跡してくる敵対コンビも、オラオラ系とは別種の飄々とした恐怖を携えている。

2000年代ピンク映画に時代錯誤的なペシミズムを再興させるという、大いなる実験。崖っぷちに追い詰められた人間の性衝動の爆発がスマートに描かれており、"エロスとタナトス"の普遍性を打ち出すことに成功している。

海辺のロケ辛そうで太もも寒そうだった。
Ayaさんは凄いクール。
ラストがスッキリに決まらず冗長になったのが惜しい。オープニングはバッチリなのに

35mm