男と男、男と女、男と元男(性転換女)が入り混じった、
倒錯した愛を描いた怪作。
4幕目で4人が揃い、
意味のわからない奇妙なハイテンションダンス、
倒錯した性行為、毒自殺など、ストーリーは
破綻の方向へ暴走する。
すべて、中年男性レオの主導権のもとに。
「愛してるわ」「それがどうした?」
まったく噛みあわないエゴの吐き捨てのセリフは、
ゴダールを思わせ、才気も感じるが、
残念ながら、全体的な空気が好きなタイプの作品でなかった。
倒錯したエロス、グロテスクなブラックユーモアというテーマには、
置いてきぼりにされることが多い。