フィッシャー版『宇宙戦争』！！

冬なのに気温が32度を超えて上昇中！そんな絶賛異常気象中な孤島。汗ダラダラでビール飲みまくりな一部島民の下半身温度も段々とヒートアップしていくSFホラー。監督はハマーホラーの看板監督テレンスフィッシャー。本作はハマーを離れプラネットフィルムで監督したフィッシャー製SF3部作の3作目！

日本版のDVD化が決定していたのに何故か頓挫してしまった前作『血に飢えた島』の、異常速度で分裂していく亀型？激ツヨエイリアンとは違って、本作はただ熱を発するだけのトコブシみたいな物体が元凶。地球をテラフォーミングする知的生命っていう強者感は凄いのだけど、ほぼほぼ（予算的に）動けないトコブシ星人から必死に逃げ惑う姿にスリルなんて全くなくて滑稽にしか見えないのが残念…😅

そんなパワーダウン感は残念だけれど、エイリアンを全く見せずに危機感を煽る演出のうまさは流石のフィッシャー。異常な気温上昇の中、解決策も原因も不明のまま本土から孤立していく島民の閉塞感をジリジリと盛り上げていく。最初は森の中で起こる羊の死亡だったのが少しずつ皆が集う地元の宿屋兼酒場へと、何かもわからない異常が近づいてくる。高温で通信機器はやられ、車もオーバーヒート。トランシーバーを残し、徹底的に科学が剥奪され、残された人々の結束で未知のエイリアンに立ち向かう。

音とクロスカッティングで同時間・近距離を演出し、その極めて近い距離が、危機と表裏一体の首の皮一枚で繋がった日常の危うさを訴えかける。キャラクターと各事象をバトンタッチしていくが如く繋いでいく語り口もテンポが良くて見やすいし、酒場でのフレームイン・アウトの流れるようなワンカットとか、気温上昇を性的欲望とリンクさせるような笑える（？）シーンがいくつかあったりとか、見どころは多かったような気がする。

メインとなるオッサン主人公は実は秘書と不倫してて、主人公・奥様・秘書をメインキャラとして展開する水面下でのバレる？バレない？な謎スリルも並行して描いてるのが笑えた🤣もちろんバレるんだけど、「秘書はからだ目当てだったんだ！愛はない！」と偉そうに汗ダラダラかきながら必死に弁明する主人公さんがクソ過ぎてサイコーだった😂しかも奥様それで納得してるし…😱

ちなみに撮影時も冬だったらしく、クソ寒い中設定上みんな薄着でシャツに汗びっしょり滲ませ、女性・男性関わらず顔も汗でドロドロになってるのが地味に良かった。フィッシャー×リー×カッシングの『吸血鬼ドラキュラ』メンツなのも嬉しかったし、リーとカッシングが協力してるってのも熱いよね👍

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