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下女のmのネタバレレビュー・内容・結末

下女(1960年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

この家族、実に腹立たしい。
自宅にテレビが搬入され、『近所で1番のお金持ちだね』と賑やかに声を弾ませる娘に対して、『あなたの脚が治れば1番幸福ね』と返す母親は、物質的な富に執着せず、より高邁な精神性を追求する人なのだろう。

空間設計がとにかく抜群だと思う。
垂直の階段、ベランダを介して水平に繋がる部屋、閉鎖的な空間を際立たせるガラス窓(越しのショット)、開閉を繰り返す扉。これらの要素と音が物語を規定し、サスペンスが繰り広げられる。個人的には、ピアノとミシンを対比させるのが興味深い。

現在では、ポン・ジュノやパク・チャヌクらが彼の影響を公言していることにより、キム・ギヨンは大作家として扱われているが、おそらく当時はカルト作家のように見られていたのではないかと感じた。
あと、フリッツ・ラングみたいね。
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