このレビューはネタバレを含みます
『下女』は・・AVのタイトルではない(※下女とはメイドさんのこと、日本でも蔑称で使ってた。ちなみに男の場合は下男)。
韓国映画界が生んだ怪物、キム・ギヨンの最高傑作と言われている(らしい)。マーティン・スコセッシの希望とグッチ、アルマーニなどのファウンデーションで2008年カンヌ映画祭にデジタル・レストアして上映、フランスでも熱狂で向えられた(らしい)。
わたしは『下女』というタイトル、そしてキム・ギヨンの名前はポン・ジュノ経由で知った。彼が自分のオール・タイム・ベストの一つに上げていたから。モノクロのスチール写真のおどろおどろしさ。さて、どんな変態的なホラーが観れるのやら、、、
タイトルバックの綾取りから、ベランダを打つ雨、落雷、階段にかかる陰影、雨に濡れた女、殺鼠剤で死ぬ二匹の鼠、窓越しのショット、ピアノの旋律、列車の通過音など。劇伴や作劇、構成まで肩すかしを食らうぐらい、真っ当な「フィルム・ノワール」だった。それも50年代のハリウッド・ノワール。女を妖艶に撮っていたら「すわ、増村保造!」と思っていたに違いない。そこだけちょっと勿体無い。
@シネマヴェーラ渋谷(11/13/2014) デジタル上映(DVD)
※しかし韓国のクラッシック映画のフィルム保存状態は本当にひどいっす。マスターのネガフィルムと英字幕(手書き!)付きのポジ起こしのデュープネガの素材がごっちゃになってるのなんて初めて見た。それに加えDVD上映だから暗部の階調とかもうひどかった。
※でも(廃盤になってる)韓国盤DVDでもう一度観てみたい。
ポン・ジュノのコメンタリーも聞いてみたいし。どっかに中古で売ってないかしら(散々さがしたが、見つからなかった)。