ジャン56

下女のジャン56のレビュー・感想・評価

下女(1960年製作の映画)
3.0
メイドがモテ男の家庭を徹底的にぶち壊しにかかる、
といった一見二束三文なメロドラマなのだが、ねじのはずれ具合がすごい。

まあ前半は目をつぶるとして、問題の下女が登場してからがぽかーん。

出て来た時点でつまみ出すべきな相当にヤバい奴なのだが、
余計なバックボーンなど一切入れず最後まで一貫してただただヤバい。

家族の挙動も完全に様子がおかしい。
特に旦那と嫁がことごとく間違った方向に自ら寄っていく。
見事に全問不正解なのだ。

と思ってたら最後のエラリークイーン。極めつけにうすら寒い。
堂々と反則するこの潔さ。ザッツ珍作。

ただそれを補って余りあるカメラで画的には相当面白い。
いい画を撮りたいがためにシナリオが犠牲になったんだと思う。