Haman

下女のHamanのレビュー・感想・評価

下女(1960年製作の映画)
4.0
家庭内生き地獄。大きな家に引っ越し妻が身重になったために雇ったメイドが破滅を招く韓国古典サイコスリラー。

均衡のとれていた家族に異物が紛れ込むことで起こるスーパーウルトラな家庭崩壊。『テオレマ』『家族ゲーム』『聖なる鹿殺し』なんかに通ずるアレ。

主従関係の逆転。破茶滅茶な綻び。もはや失うものは何もない、と背水の陣で攻めてくる下女がものすんごい恐っろしい。ベランダから家を覗く姿は不気味が氾濫して完全にホラーだった。まあこの異様な執着心は哀しくもあるのだけど。ともかく最恐にメロドラマしてる。

ただ、映画の締めにある語りかけは蛇足が過ぎてあまり好きくない。
事の顛末を目の当たりにしてからお前が言うと説得力がハンパないなってこの感じ、しくじり先生ですやん。

この家の階段は呪われすぎていて向こう100年は怨念不足に困ることがないと思う。
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