Sung

カノンのSungのレビュー・感想・評価

カノン(1998年製作の映画)
3.5
異常なまでの自意識は側から見ればキチガイだけど社会の在り方や変わり方、それに対するヘイトに忠実に比例しているのかもな、と思った。
ただそれに自ら気づくことも出来なければ他人が気付いてあげることも出来ない。なぜなら狂人にも埋もれ切った俗人にも流れを知るには社会は大きすぎるから。
面白い話ではないかもしれないけど映画でないと知れないことを知れる作品。
永遠に映画として価値のある存在。

異常に高まった緊張だったから解かれた瞬間泣いちゃったよわたくし_| ̄|○
ただ結局本人は変わらず他の俗人と同じように社会に埋没しながら老いているのに気付かないまま終わる。比べている以上報われない。比べている以上正義はない。比べている以上自意識なんて社会政治に囚われた幻想。暗闇の隅で囚人が囚人たる由縁を表す作品でした。
Sung

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