ASHITAKAAkino

マーゴット・ウェディングのASHITAKAAkinoのネタバレレビュー・内容・結末

マーゴット・ウェディング(2007年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます


これでも大勢の人間を殴った


2023年映画77本目

脚本にも参加しているから、バービー観ようか迷っていて視聴。
思わず、情緒〜〜!!!!と叫んでしまいたくなる仕上がり。脚本は苦手だけど演者はすごく良い。この不快さや言葉にならないモヤモヤを見事に演じています。
ロメールの『海辺のポーリーヌ』にちなんで妹の名前がポーリンなのかなと想像。でもそこまでがっつり引用というわけではなさそう。映画を観る際にそこまで共感できるかどうかを重視する方ではないけど、出てくる人々の大半がどうしようもない人ばかり。それも意図的なのでしょう。
姉妹という血の繋がりが生む、ときに強固で、ときに歪なやりとり。家族であることはやめられない。けれども近くにいるとイライラしてたまらない。そういう気持ちの揺れが(しかも数分単位で許したり嫌ったりする)忙しなく、それはそれでリアル。
思うに彼の作品に出てくる登場人物の多くは、どうしようもなく間違っている。あるいは過去に過ちを犯して、のうのうと無自覚に生きている。善人とは程遠い。そこにある人間味と数ミリレベルの薄い希望をほんの少しだけ見せてくれる。そんな作家。
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