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不安は魂を食いつくす/不安と魂のchiyoのレビュー・感想・評価

4.0
2024/3/3
年下の移民労働者の男性・アリと出会った、掃除婦として働く初老の未亡人・エミ。年齢や人種を超えて惹かれ合い結婚するも、周りの反応は露骨なまでに冷ややか。歯に衣着せぬ差別発言が悲しい反面、それでも愛を貫こうとする二人の姿が尊い。が、その状況にじわじわとエミの心が蝕まれていき、屋外のカフェで辛さを吐露する姿が痛々しい限り。ただ、現実逃避の旅から二人が戻った途端、周りの態度が一変する。私的には、周りが利を得るために折れた感じで、正直快くは思えなかった。そして、周りとの関係が良好になったと思ったら、エミとアリの間に溝が生まれる皮肉。エミはドイツに慣れろとアリを諭し、アリはエミを裏切る行為に走る、二人の擦れ違いがただただ悲しかった。それでも、二人が互いを想い合う気持ちは強い。心が離れそうになった時には、またあの曲を聴いてほしい。
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