おこめ

黒部の太陽のおこめのネタバレレビュー・内容・結末

黒部の太陽(1968年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

黒部の太陽

・簡単なあらすじ見ておいた方がよいかも。

・美化しすぎって意見もわかるし、ツッコミどころもたくさんあるけど、
「50年前の映画だしな…」で済むというか、その辺は全然気にならなかった。

・3時間の映画だからなのか、カメラの動きが飽きがこないように設計されていてずっと感動してた。圧巻。
しかも、今の映画やドラマに多い、ただ間を持たすためにカメラが動いてるんじゃなくて、ちゃんとそのシーンの感情を表現してると思った。
画面の豊かさと自分みたいな20代でも話に着いていける隙のなさが60年代の邦画と思えない。

・ヨリ以外終始広角レンズ?普通の部屋とかもやたら広角レンズだった気がする。
終始こだわる事でどういう効果があったのか知りたい。

・エキストラの動き最高。
手前奥縦横無尽だけど、カメラの動きに対して計算されてるから気持ちいい。
望遠レンズで数強調したり誤魔化したりするんじゃなくて、広角レンズに対して数で圧倒してくるから、すげぇってため息出る。贅沢。


・会議室での会話のシーン

・北川の宿を訪ねるシーンのカメラの置き方と動き。
動く瞬間、空気が変わる。彼にとって大切な話とわかる。

・そのあと親父の宿のシーンも。カメラの動きすごい。手持ちのタイミングも。
普通もっと違和感出るけど、全然ない。
すごい。

親父暴れるところもタケシをずっと映してるのとかすごい。こことこの前のシーンで完全にタケシが観客にとっての主人公になった。感情に同化した。(ここまでで、いろんな人の物語というのはわかったけど、その分視点がフワフワしてた)

加えてトンネル完成っていう大きな大きなドラマにもう一つ大きなドラマが乗っかった。それをカメラとお芝居で観客に納得させてるのがすごい

・1:17くらい?トンネルのシーンの最後。
人物と物のモチベーションは前で、カメラ引いてくことで壮大感増す。

・北川さんが、トンネルの奥の様子見に行くところの緊迫感。音の緩急すごい。
人の動きも好き。

・1:21のトンネル爆破のシーンも気持ちいい。カメラドリーイン、モチベーション前

・当たり前のことだけど、同じ場所で時間ジャンプする部分は一回外のショット入れる。(外というか引きのショットか)

「やべぇ溶接するぞ!!」

すぐ溶接のシーン

では時間感覚が迷ってしまうし、事の重大さもよくわかんなくなるから、
入り口に向かう大量の作業員のカットを入れてる。
違和感なくなる。

・おじいちゃん社長の会議室シーン。
寄ったあとに顔の向きカメラ側に変える。広角レンズやから狂気感じる。
よくある“狂気じみた人ショット”も顔の動きでこんなに強調されるんだ

・2:37 鏡のカット。
部屋入ったあとは、先リアクションからの見た目。

・2:38 暗部の使い方。からのドーン。
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