美女と野獣や詩人の血などで知られるジャンコクトーの遺作にしてオルフェの続編映画。時空を彷徨うコクトーの話。
クリストファーノーラン、デヴィッドリンチ、フェデリコフェリーニ、ビーガンあたりに影響をめちゃくちゃ与えていそうな半自伝ファンタジーロードムービーでした。今作はかなり変わった内容で、映画のための映画であると同時に、詩人のための映画になっていて、オルフェ云々よりもコクトー自身に焦点が当たっていた気がします。今作と同時期に始まっているヌーヴェルヴァーグ的な第四の壁についての議論とか、TENETもびっくりな多用される逆再生など、今見ても斬新な演出が多い一方で、映像も綺麗で良かったです。
最低限オルフェとコクトーの知識がある人向けの作品だけど、個人的には結構好きでした。ラジュテとか、去年マリエンバートでとか、今作とか、この頃のフランスは実験映画にかなり力が割いてあって、掘り下げてみても面白いと思います。
