ねじ

オルフェの遺言-私に何故と問い給うな-のねじのレビュー・感想・評価

5.0
 歩く人自身が詩でもあって、詩人でもある。詩とともに詩人が歩いている。詩人は何度も詩を繰り返すし、詩は詩人の前にある。後ろにいるときもあるんだけど、わたしの感覚的にはきっとずっと前にいるんだろうなと思う。
 コクトーについて何も知らないわたしでも楽しめた。本当に何も知らない笑 オルフェを先に観た方がいいのかな。
 インテリの恋人たちに身に覚えがありすぎる人いるんじゃないか。特にこの映画を観た人は全員。わたしたちの悪いくせ!!わたしだけかしら?言葉のために見るものは上の空ばかり。他人を媒介した自慰行為にいそしむ、そこにわたし以外がいるのだろうか。
 コクトーは映画を詩を運ぶ車と定義しているが、コクトーを殺す車のかたちはきっと何であってもいいのかなと勝手に思う。そういう車をわたしは想像し創造することを求めている。そして、その車もまた誰かの車に轢かれる。わたしもずっと詩を運ぶ装置はどんな形態だろうかと模索してきた。作品によって。とても形式的で狭くてつまらない作品だ。足元にも及ばない。
 いつかわたしを殺してくれるかな。
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