sanami

イングロリアス・バスターズのsanamiのレビュー・感想・評価

4.5
ユダヤ人がナチスを文字通り映画で焼き殺す映画。
ナチスといえば宣伝相ゲッベルスのもと映画を利用したプロパガンダを行っていたことで知られていて、そのナチスを映画産業に強みを持つユダヤ人が(物理的に)映画によってやっつけるというの、構造の妙がありますね。

クリストフ・ヴァルツ演じるランダ大佐が、賢くてスマートで大胆でもう最高。『レオン』のヤク中警官ノーマンに匹敵する印象的なヒールだった。(それに対して、ゲッベルスの小物感がいちいちオモロだった。)
彼がユダヤ人を匿う酪農家の主人を穏やかにじわじわと問い詰める場面から本作は始まるが、そこの緊張感が堪らない。
面白い映画は冒頭から人を惹きつけると言うけど、この作品も間違いなくそのひとつだと思う。

機知に富んだ会話も、ロマンチックな恋愛も、残虐非道な暴力も、フィクションの面白さみたいなものが詰まっていてこれぞ娯楽映画だよな〜!という感じ。シンプルにめちゃくちゃ面白かった。

キレッキレなブラピが見られたのと『ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア』のティル・シュヴァイガーがイカれたバスターズのひとりとして出てきたのは嬉しくてきゃっきゃしてしまった。
sanami

sanami