まつむらはるか

イングロリアス・バスターズのまつむらはるかのレビュー・感想・評価

3.4
目には目を!!!

胸クソ悪いナチを、ブラピ率いる米軍スパイ『バスターズ』が胸クソ悪い方法で葬り去る!キレキレとドロドロが混ざりあった復讐劇。

まず、「ユダヤ・ハンター」と呼ばれるクリストフ・ヴァルツの凄まじい怪演っぷりに震え上がる。この役者さんは「ジャンゴ 繋がれざる者」のおじいちゃん師匠役をやっていたんだけど、もう外見も演技もまったくの別人で映画を見終わってからも全然気づけなかった。物腰の柔らかい紳士…に見せかけて、全く隙を尽かせず、それでいて何をするかわからない、人間の皮を被った化け物みたいな奴で、これはアカデミー賞もうなずける。

そして画面が変わってアメリカ兵のブラピのターン、ああやっとヒーローが出てきたよ…!と救われた気になるのも束の間、おや、こいつらも正常じゃないぞ………と、全く息のつけない展開。というか……待て待て、この映画、感情移入しっぱなしにできるキャラクターが全然出てこないじゃねえか!!!と、例えるなら、落ちて行く時に掴んだロープが次々に千切れていくような感覚に陥る。

しかしながら酒屋のスパイゲームのシーンはかっこよかったなあ……