千利休

イングロリアス・バスターズの千利休のレビュー・感想・評価

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〈タランティーノ流・打倒黒歴史〉
正直退屈なシーンはかなり退屈なのだが、最大瞬間風速的にめちゃくちゃ面白いシーンが際立っているという特性ではタランティーノ作のなかでもトップクラスである本作。相変わらず映画愛がそこら中に巻き散らかしてあり、それを感受するだけでも十分楽しい。だが白眉はやはり"キツさ"を不謹慎よりも最高と思わせてしまう彼のカリスマ性であろう。本作も「キル・ビル」も一歩間違えば大事故になりかねないのだが、それをそうとは思わせない。そのあたりがオリヴァー・ストーン作でタランティーノと対立した「ナチュラル・ボーン・キラーズ」との格の違いとして見えてしまった。
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