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日本のいちばん長い夏のウニのネタバレレビュー・内容・結末

日本のいちばん長い夏(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

半藤一利さんの月刊文藝春秋での取材記事の映画化。終戦交渉に関わった外交官から戦場にいた軍人、民間人まで多数をなだ万に集めて、それぞれの実際の体験を語ってもらった記事の再現劇。

以前、日大の学生主催の映画上映会にいらっしゃった半藤さんが「戦争の話を聞きに行くと、自慢話や嘘が混じるので、関連者全員一同に集めて、嘘がつけないようにした」と仰ってましたが、このことだったのかと納得。

終戦判断の遅れ、諜報不足、水面下で変化していた世界情勢の読み間違い、ロシアを介しての和平交渉の失敗連続のアレコレが語られ、本当はそうだったのかと驚き。御前会議に同席されていた、キーマン迫水久常さんの発言が特に驚愕。さらに、迫水久常さんを演じられている国際弁護士の湯浅先生、役にはまりすぎてて、驚き。特典映像にあった座談会出席者のその後も驚き。ロシアを介しての和平交渉に失敗した外交官の方が、後年日露和平をやり遂げられておられたり、つい最近まで日本の政治、文化、産業、学問の中枢で戦争体験のあるパイセン方が、日本を支えておられたとは!

ところどころ半藤さんのトークが挟まれる構成。キレッキレでその部分かなり興味深し。半藤さん、全国津々浦々の元軍人の方に実際に会いに行って取材されていた伝説を身近にも聞いていましたが、一次情報で真実に迫ろうとする探究心、そこから得た知見に心打たれた。半藤さんの取材によって、わかった真実、あるとおもいます。

半藤一利さん、貴重な記録をありがとうございました。合掌。

松平さんと鳥越さんの芸風が似ていた。なんとなく。
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