似太郎

ナンニ・モレッティのエイプリルの似太郎のレビュー・感想・評価

4.0
【映画というよりエッセー☕️】

🇮🇹98年に公開されたイタリア映画でロベルト・ベニーニの『ライフ・イズ・ビューティフル』に負けた映画。まあ、それも無理はなかろう。(笑)

かと言って決してつまらないわけではなく、ナンニ・モレッティによるミュージカル映画作りに対する熱いスタンスと子育て、政治活動などが赤裸々に、時にドキュメンタリー風に撮られているコメディ作品。

モレッティの前作『親愛なる日記』の続編。右派政党から左派政党へ移行したイタリアに於ける95年らしい多幸感が溢れた政治的な作品でもある。この人らしく深刻ぶらないキャラ造形が秀逸。

何よりモレッティ演じるワガママなのに憎めない自主映画監督の道化ぶりが最高で、イタリア人らしい陽気な性格とマシンガン・トーク、随所に挟まれた音楽などが非常にオサレである。上質なカプチーノみたいな出来栄え。☕️

ウディ・アレンとはまた違った意味で笑える自虐ネタ/政治ネタもあり、気楽に観れるホンワカ映画となった。庶民的でお気楽な雰囲気がオタール・イオセリアー二作品にも近い。なんかモレッティ自身が演じる主人公のオッサンが飄々としてて愛しい💕。
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