中尉

グラディエーターの中尉のネタバレレビュー・内容・結末

グラディエーター(2000年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

リドリー・スコット監督による傑作映画の1つだと思います。155分の上映時間を全く感じない、体感120分くらいの映画でした。感傷的な場面に時間を割き過ぎないのが監督らしくて好きです。もちろん無機質ではなく、ロマンスもあっさりとしてますが、力強さと納得感が備わっている。

コニー・ニールセンが演じたルシッラの目線でみると、この物語も『最後の決闘裁判』とやっていることは同じで、「女性の抑圧と抵抗」が大きなテーマとして存在することが分かります。

コロシアムでのアクションシーンは、偉大なる作曲家ハンス・ジマーのオーケストラもあってか、ものすごい迫力を感じました。リドリー・スコットは絵コンテも自分で書くというから、ショットの正確さはピカイチ。「ごちゃごちゃしてて分からない」とかそういうのは一切ない。

"The mob is Rome(大衆こそがローマ)"というルッシラのセリフにもある通り、絶大な権力を持つ皇帝でも、民を味方につけた主人公を無闇に殺すことはできない。ここの展開がうまいですね。普通なら、主人公が剣闘士として身を隠しながら復讐の機会をじっと窺うのが自然。でも主人公は堂々と顔を晒し、民を味方につけることで処刑を無効化する。大胆な戦略に痺れました。
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