ハンバーグ

グラディエーターのハンバーグのレビュー・感想・評価

グラディエーター(2000年製作の映画)
4.4
「おれの妻と息子は、あの世で待ってる待ってる」
「また会える いつか」
「ああ、いつか…」

すばらしい。
本当に良い映画は何度見ても飽きないし、時が経っても観る人の心を掴むことができるんだなあと。

ラッセル・クロウの見せる家族を失った苦しみと、ホアキンの見せる愛と名誉に飢える苦しみのコントラストが絶妙で、常に第一線で活躍し続けていることが頷ける。
オスカーを獲得したラッセル・クロウは言わずもがな、個人的にはホアキンの怪演がたまらない。
家族を失い復讐の修羅と化したマクシマスと対比させ、「あまりにも偉大な父帝」を持ってしまったが故に迷走したコンモドゥス帝を演じたホアキンが特に好き。
まさに怪演と言えるんだけど、ただ狂ったわけではなく、かといってまともとは全く言えずそれでいて小物感があるというかなり難しい役どころを、でしゃばることなく表現したのは本当にすばらしい。
ホアキンは、「やばいんだけど誰もが共感できる」「どこにでもいそうだけど明らかにいっちゃってる」みたいな人を演じさせたらもう達人ですわな。

古代ローマを題材とした映画は数知れず、ベン・ハーやグラディエーター、スターウォーズだってそう。
それらの作品を見ると、欧米の大多数の人々の信じたい歴史観と言うのが良くわかる。
今作では、「あの哲人皇帝マルクス・アウレリウス帝が、コンモドゥスなどという暗愚な息子を次期皇帝に据えるはずがない」という、願望にも等しい解釈。
マルクス・アウレリウスこそ真のローマ皇帝であると、今も訴えているかのようだ。

時は移り、着る服は違えど、勝者のグラディエーターに「殺せ!殺せ!」と叫ぶローマ市民たちと、本質は変わらない。

友愛も家族への愛も、今も変わらない。

「あなたは自由を得た。
またいつか会える。いつか。」
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