イシダコ

アングスト/不安のイシダコのレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
4.0
期待ハズレの不発でイマイチな結果に終わってしまった初見からひさびさの再見。思いのほか楽しめて好きになれた。改めて観ると暗い青のトーンで統一された画面に冒頭から魅せられる。主人公の印象と特徴を決定づけている、着用しているジャケットもそれに合わせた配色で、意外と色彩設計に気を配っていることが窺える。タイトル画面のデザインもシンプルながら書体含めてキマッていて、冷んやりとした寒々しさのようなものが伝わってくるのがいい。最初のレビューのときにも書いたが主人公が悶々としながら彷徨い歩き、いざ決行しようとすると邪魔が入ってフラストレーションが溜まっていくのは、殺人とセックスの違いあれどキューブリックの『アイズ ワイド シャット』を想起させるものがある。恐らくこの2本の元祖にあたるのはブニュエルで、『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』こそがそれなのだと思う
イシダコ

イシダコ