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アングスト/不安のべるのレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
4.4
犯行現場を殺人鬼目線でシンクロして体験する映画

びっくりするような怖いシーンとかは無い
めちゃくちゃ見入るか、不快になるかのどっちかになりそう

何を考えてるんか、何がしたいのかが全く分からんくて目が離せなかった
独特すぎるカメラワーク、落ち着きのない殺人鬼の動きで不安になって、たまにくるエレクトロサウンドがくせになる
そのバランスが絶妙だったのか、エンタメ性は欠片も無いのにもの凄く集中して見てた
中盤には頭も完全に犯人目線になって、殺される被害者に対して「逃げろ」って感情ではなくて犯人に対して「あいつが逃げるぞ」とかの感情になってた

今まで観た映画の中で一番アドレナリンが出たかもしれない
体感時間1時間くらいに思えた

とにかく異常すぎる
何かを伝えたいとか、そんな映画じゃない

『ハウスジャックビルト』みたいな殺人を理論的に説明するのとは全く違う
また、多くの映画が被害者側の恐怖を描くのに対して、これは人が殺されていくのを見る「不安」ではなく、僕らが二度と経験しない、人を殺す際の「不安」を感じさせられる映画やった

あと所々で犬がなんかじわる
犬は無事です
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