公開されたのが1983年であるからこその「公開禁止作品」だろう。その後に発売された数々のグロテスク映画と比べてもその辺りの描写は弱い。
ただ、作品そのものは非常に優れた作品だった。
まずはカメラワーク。下から上からなめ回すような撮影アングルと正面からの手振れをそのまま採用する撮影は、今見ても斬新だった。第三者視点で俯瞰して見ている。(思い出している?)ことの暗示か。
主人公の自分語りと話が噛み合わないのも滑稽だった。常に脳内では完璧なのに全て上手くいかない。
作品の不安というタイトルは主人公のこういった心境の現れを意味しているのかもしれない。