HarukaWatanabe

アングスト/不安のHarukaWatanabeのレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
3.1
職探しのために期間限定で出所するも、就活なんてどうでもいい。ここぞとばかりに人を殺しまくる激ヤバ主人公映画。主人公の男は過去のトラウマと自身の快楽の間を彷徨い、気づいたら人を殺している。彼にとって殺人は日常の中にある特別なことなのかもしれない。彼の行動は異常だけど、自分がもし彼と同じような境遇で育ってきたら? 彼と同じような仕打ちをされてきたら? 今自分が生きる当たり前の日常を疑う気持ちも芽生えてくる。彼は悲惨な過去の経験から、世間の常識からかけ離れた歪んだ自己の開放の仕方を形作っていったんだと思う。それは理解できない部分と共感できる部分(←危険!)が共存している。自分に正直に生きることは正しいのか? ラストは理性を超えて自己を暴走させたが故に起きた結果で、彼の行動は最後まで純粋だった。そこに至るまでの間、彼と一緒に暗い自意識の中に迷い込み、そして…
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