激ヤバな傑作…これ以上にゾッとして不快な気分になる映画なかなか無い。
カリスマ性も計画性も殆どなくただひたすらに人を不快させるという点において映画史に永遠に刻まれる殺人鬼像。
ジョンハート夫妻の夜中の喧嘩を止めに来た時、床に倒れた若妻の生脚をねっとりと見つめる視線。その後のスカートを慌てて正す動作含めこの殺人鬼の視線の嫌さを演出している。
無知故に闇バイトに加担してしまい二進も三進も行かなくなる姿そのものなジョンハートの運命に現代まで通ずる恐ろしさを見る。
そのジョンハートが処刑されてからのアクセルのかかり方が尋常じゃない。
省略に次ぐ省略で次々と殺人が重ねられる。ここまでで十分すぎるほど殺人の場が形成されているからこその怒涛の省略。この呆気なく飛んでいく時間こそが真に恐怖を作り上げていく。