イチロヲ

ダブル・ダイナマイトのイチロヲのレビュー・感想・評価

ダブル・ダイナマイト(1952年製作の映画)
3.0
結婚資金集めに奔走する銀行員の青年(フランク・シナトラ)が、違法ノミ屋から八百長競馬の高額賞金を受け取ってしまう。しがない銀行員の孤軍奮闘ぶりを描いている、ミュージカル・コメディ。

作品自体はマルクス兄弟の延長線上ではなく、ウエルメイドなコメディ路線。シナトラの相方役をグルーチョが演じており、恋人役をジェーン・ラッセル(マリリン・モンローのライバル的存在として売り出されたグラマー女優)が演じている。

ノミ屋が忽然と姿を消してしまったため、周囲の人間たちが主人公の横領行為を疑い始める。ヒッチコック作品のようなサスペンスが動き始めるが、あくまでも大衆向けの喜劇なので、緊張感は皆無。

主人公以外の人物たちが、常に勘違いを繰り返しながら、様々な行動を引き起こしていく。勘違いが勘違いを呼び、雨降って地固まる。娯楽映画の教科書的作品。隠居していた銀行社長が、社員から偽者扱いされるシーンが面白い。
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