歩葉戸路素

時の支配者の歩葉戸路素のネタバレレビュー・内容・結末

時の支配者(1982年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

〝時空を超えた変な宇宙ドラマ″

フランス製アニメ
かなりシュールで説明しにくい個性的な世界観

時は宇宙時代、救難信号を受け取った宇宙船が発信源のペルディド星へ向かう場面から始まる
遭難者の親子は〝宇宙蜂″に襲われ子供だけ逃げ出せて生存する
そのペルディド星の事情に何故か詳しい爺さんを連れ、子供の救出を目指し宇宙を駆ける一大ヘンテコSF!

日本アニメでは見れないような影の演出や鮮やかな色彩が特徴的
めっちゃフランス映画っぽいが脚本の捻りが凄くてラストへの伏線が凝ってる

宮崎駿や大友克洋が大影響受けてるのは一目瞭然だが
個人的にはアドベンチャータイムも絶対に影響を受けてると予想
途中仲間になる宇宙妖精みたいな奴はめっちゃそれっぽい!あと哲学的な台詞回しとか…

旅の途中、主人公たちがある星へ不時着し〝大量の名前も顔もない思想だけの化け物″に捕らえられてしまうサブストーリー
この一連はメインストーリーに関係ないがかなり記憶に残る
このパートは一体何を意味するのだろうか?

ネタバレ

あっけない終幕
唐突に出現したタイムマスターにより物語は一気に収束する
時空を支配する彼らの時空乱流に巻き込まれた少年は過去の時間軸へ吹き飛ばされてしまった
結局少年を助けることが出来なかった主人公たち…
だがその少年が成長した姿こそ、同行していた『ペルディド星に詳しい爺さん』であったと分かる意外なオチ!
爺さんはその時丁度、寿命で亡くなってしまい宇宙に葬られる

「葬列者は少ないのに大勢の悲しみを感じる、皆あの老人が大好きだったんだ」
という台詞が妙に泣ける

やっぱフランスアニメのストーリーは説明しにくい…
観念的でヘンテコだけど好きな人はドハマりする事間違いなし!
(特に創作活動してる人はかなりハマると思う)
歩葉戸路素

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