青二歳

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップの青二歳のレビュー・感想・評価

3.4
ストリートアートをフィルムに収めるという底意地の悪さ。撮影者と対象者が入れ替わる底意地の悪さ。そして後半における底意地の悪さは…東京五輪エンブレム騒動と広告業界の商業的あれやこれやを経た後では笑えません。トータルでどこまでも意地のわっるい映画です。すばらしいくらい気分が滅入ります。

ストリートアート自体については…まず器物破損ということを踏まえた上で。さて"カウンターカルチャー"って褒め称えると本質がズレる気がする。芸術的価値を見出されて美術館に収蔵されればよいのか?
描き手が危険な行為であることの"快感"を認めている以上ファインアートではなくパフォーミングアーツとして観ると…そうすると個人的にアリになります。パフォーミングアーツであれば街とともに劣化変化…消失が前提ということなのかと。行政や所有者による排除撤去塗り潰しも前提に含まれるのならば興味深い。

で、このドキュメンタリー作家というお調子者の男はそのストリートアートの一切を永遠に残すために映像にしているという。ストリートアートが永遠を希求する…?え??…そういう底意地の悪さが楽しいんですこの映画。
それから後半において「アートとは、アーティストとは?ストリートアートとは?」という投げ掛けの持って行き方は底意地悪いなんてもんじゃない。笑うしかないけど、五輪エンブレムの後だから笑えないんですよ!
青二歳

青二歳